煩悩まみれの日々の中で気付いたことを書き連ねてます。インコ達が天使のように舞い降り、煩悩が消えるかと思いきや、新たにインコ欲が加わっただけ。インコに関する記事も多めです。

煩悩天国

インコに人間の経口補水液が使えるのでしょうか

更新日:

今まさに風邪をひいて体調不良(発熱)の若いインコの看病をしています。

うちの子をお迎えしたブリーダーさんからスポーツドリンクを薄めて与えることを教えて頂きましたが、スポーツドリンクと言っても色々あるので、どれにするのかで悩んでしまいました。

調べてみると、製品はどれも大差はないものの、概して人間用のスポーツドリンクは糖分が多すぎるため、そのままで飲ませることは絶対にダメで、必ず薄めるようにって書かれています。

それはブリーダーさんが言われていることと同じでした。

ただ、何倍に薄めるかについての情報が今ひとつ確信が持てないものが多く、ブリーダーさんから教えて頂いた通りに10倍に希釈して与えています。

でも、実はスポーツドリンクを与えていません。

だってインコの健康にとってプラスにならなさそうなものが含まれてしまってますから。

●原材料

砂糖、果糖ぶどう糖液糖、果汁、食塩、酸味料香料、塩化K、乳酸Ca、調味料(アミノ酸)、塩化Mg、酸化防止剤(ビタミンC)

出典:大塚製薬 製品情報 ポカリスエット基本情報

スポーツドリンクは、発熱、下痢または嘔吐などの体調不良によって水を飲む量が減ってしまい脱水状態に陥っている、または陥りやすい状態の時に飲むものではなく、スポーツなど多く汗をかいた時に美味しく水分補給を行うためのものなので、電解質濃度よりも糖質濃度を高くして、飲みやすくする工夫がされています。

人間もインコも体調不良の時に飲むにはスポーツドリンクではなく、水分をより吸収し易い電解質濃度にされている経口補水液の方が適しています。

経口補水液と言えば、実際にご自身も脱水症で倒れたことで有名な所ジョージさんがCMをされているOS-1が有名です。

やっぱり体調不良時には人間もインコもOS-1だよね~と思って、原材料名・添加物を見てショックを受けました。

原材料名、添加物
【オーエスワン】

原材料名
糖類(ブドウ糖、果糖)、食塩

添加物
クエン酸(Na)、塩化K、リン酸Na、塩化Mg、甘味料(スクラロース)香料

出典:大塚製薬 オーエスワンシリーズ

香料も気になりますが、甘味料として含まれているスクラロースについては健康に良くないかも知れないという噂もあり、自分は気にしませんが、インコに飲ませるのはちょっと。。。(そんなこと書きながら、ZuPreemのフルーツブレンドは与えていたりします。。。)

とは言え、長期的に見た健康への害も気になりますが、差し迫った健康上の問題がある場合は、香料とスクラロースについては目をつぶるしかないのかも知れません。

成分(100 ml中) OS-1 ポカリスエット
エネルギー 10 kcal 25 kcal
ブドウ糖 1.8 g
ナトリウム 115 mg 49 mg
カリウム 78 mg 20 mg
カルシウム 2 mg
マグネシウム 2.4 mg 0.6 mg
リン 6.2 mg
塩素 177 mg

「アース・バイオケミカル ペットスェット」はインコにもいけるんでしょうか?

実は既にamazonからの到着待ち。

インコが熱を出して飼い主がテンパっていた時に注文したため、詳しく説明を読んでいませんでした。

今冷静になって見直してみると、大事なことに気付きました。

これってば、犬・猫用なんですね。

ペットと書いてあるからマルチなんだと勝手に解釈してました。

ペットスウェット

しかも、原材料名を見ると、

ペットスエット 500mL

内容量:500mL

■成分
粗たん白質 0%以上
粗脂肪 0%以上
粗繊維 0%以下
粗灰分 1%以下
水分
98%以下

100mLあたりエネルギー約10kcal

■原材料名
果糖ぶどう糖液糖、食塩、ラクトスクロースシロップ、塩化K、香料、パントテン酸Ca、保存料(安息香酸Na)、クエン酸、クエン酸Na、甘味料(アセスルファムK)

■与え方
・ 1日に1~数回、お散歩などの外出時や運動する時に与えてください。
・ 1日に与える量の目安は、体重2~3kgの愛犬・愛猫に1/3本、体重5kgの愛犬に2/3本です。
・ 暑いときは冷蔵庫で冷やして与えることもできます。

出典:アース・バイオケミカル株式会社 フード>ペットスウェット

人間用と変わらない内容です。(良くない意味で。)

まぁ、そもそも犬・猫用という事なら関係ないですけど。

犬・猫用とは書かれていますが、ちょっと電解質濃度と浸透圧を見てみたいと思います。(比較用にWAKODOのアクアライトORSを載せました。)

電解質濃度(mEq/L) PET SWEAT OS-1 アクアライトORS
Na+ 31 50 35
K+ 17 20 20
Ca2+ 4
Cl- 39 50 30
ブドウ糖濃度(mmol/L) 不明 100 100
浸透圧(mOsm/L) 255 270 200

PET SWEATのサイトには浸透圧255mOsm/Lが「等張」と書かれています。人間よりだいぶん等張となる浸透圧が低いみたいです。それで人間用の経口補水液やスポーツドリンクを原液で飲ませてはいけない訳ですね。

では、インコの場合はどうなんでしょうか?

薄めるとしか書かれていないので、どの程度に薄めるべきなのかが分かりません。

というか、そもそもインコに薄めたポカリスエットや経口補水液を飲ませる理由ってなんでしょうか?

人間の経口補水液の目的は小腸からの水分補給にあります

脱水症状や下痢が続いている場合、本来水分を吸収する大腸で水分を吸収することができなくなることがあります。そんな場合、従来は点滴によって直接血管内に輸液を行っていましたし、今も行っています。

それが、小腸でブドウ糖とナトリウムイオンを吸収する時に水分が一緒に吸収される仕組みがあることが分かり、大腸が水分を吸収できないような場合であっても、水にブドウ糖と食塩を加えたものを飲むこと小腸から水分補給を行わせる目的で経口補水液が発明されました。

これは共輸送系と呼ばれる仕組みで、同じ哺乳類である犬や猫にも同じ共輸送系があることから犬・猫用の経口補水液が誕生したという背景があるようです。

ですが、インコに人間や犬・猫と同じ共輸送系があるのかは調べても分かりませんでしたので、同じ効果を期待して、人間用や犬・猫用の経口補水液を薄めて飲ませるのはちょっとひっかかるところがあります。(今も横で飲んでますが。。。)

そんな中、オーストラリアの専門家が書かれた資料がヒットしました。

WILD BIRDS ASSESSMENT, FIRST AID AND HANDY TIPS   Dr Stacey Gelis BVSc (Hons) MACVSc (Avian Health)

保護した野鳥の評価と応急処置に関して書かれたものですが、この際ぜいたくは言ってられません。(でも、オーストラリアと言えば、セキセイインコやオカメインコ、そして多くのオウムの故郷でもあるので、期待はできそうです。)

この中に、「DEHYDRATION(脱水)」という項目があり、そこに脱水を起こしている鳥に対して口から補水を行う場合についての記載があります。

Types of fluids that can be used for oral fluid therapy include equal parts of lactated Ringer’s (Hartmann’s) solution and 5% dextrose, as well as commercially available rehydration solutions such as Spark Electrovet, Lectade, Vy-trate and even products such as Gatorade and Powerade. These should ideally be warmed to 38-40 degrees Celsius before being administered.

経口補水治療に使用することができる液体のタイプには、乳酸リンゲル液(ハルトマン液)と5%ブドウ糖の等量のものを含みます。同様に、市場で入手することが可能な「Spark Electrovet」「Lectade」「Vy-trate」と言った再水和溶液や「ゲータレード」および「パワーエイド」といった製品さえも含んでいます。理想としては、鳥に与える前に38~40℃に温められなければなりません。

出典:WILD BIRDS ASSESSMENT, FIRST AID AND HANDY TIPS Dr Stacey Gelis BVSc (Hons) MACVSc (Avian Health) 

凄く期待して読んだんですが、人間と同じものを使ってしまうみたいですね。

まぁ、応急処置なので「ベスト」ではなく「ベター」を狙っているんでしょうけど。

でも、せめて「ゲータレード」や「パワーエイド」を使う場合の希釈率を書いて欲しかったです。

ひょっとして等倍?

まさかね。。。でも、オージーならあり得る?(オージーでもボンダイ動物病院のクリスなら正しい方法を教えてくれそう。)

自分で資料を探して、しかも自分で書いておいて何なんですけど、これって脱水の場合ですよね。

脱水を起こしている鳥に対して経口補水を行う場合の液体です。

脱水を起こしていない場合、例えば風邪をひいて元気がない、熱があるものの、食事も水もある程度は摂れているインコに対して、希釈したとは言え、脱水を起こしていることを前提としたリンゲル液、経口補水液、スポーツドリンクを、希釈したからと言って素人が与えることはちょっと危険な印象が否めません。

人間でも経口補水液やスポーツドリンクを意味なく飲んだり、がぶ飲みすることは健康被害が出る恐れがあると言われていますので、体が小さくて非常に繊細なインコに希釈したとは言え、ナトリウムイオンやカリウムイオンを含んだ水を与えることは止めた方が良いのかも知れません。

ナトリウムイオンやカリウムイオンを含むインコ用の経口補水液は小鳥専門の獣医師の指導に従って慎重に行うべきだと思います。その指導が「OS-1を◯倍に薄めて飲ませてください」であったとしても、それは患者の症状を診察した上での判断な訳ですから、「以前OS-1を薄めて飲むように言われたから今回も」ということは止めた方が良さそうです。

病院に行くべきかどうか微妙な体調不良の場合に飲ませるんだったら何がいい?

ポカリスエットなどのスポーツドリンクを薄めて飲ませるという内容の他に、

  • 砂糖水を飲ませる
  • ハチミツを水に溶かして飲ませる

と言った記載もありました。

昔は発熱を伴う体調不良時などにハチミツや水飴をもらったりしたもんですが、いつの間にか発熱などの体調不良時の水分補給にはポカリスエットやOS-1などの経口補水液を飲むことが認知されてしまい、体調不良のインコに砂糖水を飲ませるようにアドバイスされても、「そんなんじゃなくて、もっと効きそうなのない?」って思ってしまいます。

でも、副作用もなく、それでいてインコが喜んで口にして、水分とエネルギーが同時に補給できる砂糖水って案外一番いいのかも知れません。

ハチミツって手もありますが、先日ハチミツを摂取した乳児が乳児ボツリヌス症で亡くなるという痛ましい事故が報じられ、ハチミツを1歳までの乳児に与えることが危険だということが再認識されたと思います。

インコにとってハチミツの中に含まれるボツリヌス菌の芽胞がどの程度リスクがあるのか分かりませんが、うちの子の場合、孵化後2ヶ月ちょっとと免疫系が成鳥と同じではない可能性がありますので、ハチミツは止めておこうと思います。多分だいじょうぶだと言われても、大切なインコを実験台にする必要はありませんので、わざわざハチミツを選ぶ必要はないと思います。

手頃な砂糖を使うのであれば急な体調不良でもすぐに対応出来ますし、砂糖よりも体内で分解する負担が少なくて済むブドウ糖を使って上げるとよりインコに優しいと思います。

この機会に我が家でもインコたちの為にブドウ糖を常備しようと思います。

こどものために常備していたOS-1を封を開けてしまいましたが、あれは僕が飲む(そのためにちょっと運動します)ことにして、体調不良のインコにはブドウ糖水溶液を与えることにします。

そして、再び濃度問題に突き当たってしまう訳ですが、多くのインコの故郷であるオーストラリアの「WILD BIRDS ASSESSMENT, FIRST AID AND HANDY TIPS」に5%ブドウ糖液が書かれていたこともありますので、

最大でも5%(※5%は人間の場合の等張)

を目安に、ここから「ある程度」薄めて与えたいと思います。

うちの子のブリーダーさんが「10倍に薄めて」と言われていたので、人間の場合の等張である5%を10倍に薄めて、0.5%のブドウ糖水溶液を与えます。

100ccの水に対して0.5gのブドウ糖

結構シビアな計量ですが、ちょうど先日0.1g単位のインコ用スケールが届いたので、きっちり測って与えたいと思います。

紆余曲折しながらこんな結論に行き着きましたが、もっと安全で効果があるレシピをご存知の方がいらっしゃいましたら是非ご教示をお願い致します。

-インコ, 小鳥

Copyright© 煩悩天国 , 2024 AllRights Reserved.